「80年代は能天気な時代でしたね」
とある知人が『The Final Countdown(ファイナル・カウント・ダウン)』を聞いたときに、ポロっと漏らした言葉です。
その知人というのはジャズが好きということもあってか、音楽も少々シブ好み。
そんな彼にしてみれば、ジョーイ・テンペストの朗々と歌い上げるスタイルは、なんだかアホっぽく聞こえるのでしょう。
それが要因かは知りませんが、ローリング・ストーン誌の読者投稿企画『80sの最悪の曲を決める"The 10 Worst Songs of the 1980s"』では、スターシップの『シスコはロック・シティ』についで、堂々の第2位にランクされてしまいました。
かつてはスティーブ・ペリー以来のボーカリストといわれたジョーイの歌声も、聞く人によっては能天気に聞こえてしまうんでしょうか。
そういえば声楽に詳しい人から聞いたことがあるのですが、小田和正のような高くて済み切った歌声のことを、声楽界のスラングでは「アホ声」といっているのだそうです。
たしかに、オペラなのではテノール(男性の高い声のパート)歌手の役どころは、純真無垢な青年の役どころが多いのだと。
悪く言えば、ノータリンですね。
同じ歌唱力の持ち主でも、R&Bのように渋みのある歌声に奥深さを感じる人がいる一方、高い声で朗々と歌い上げる歌声には知性のかけらも感じず毛嫌いする人もいる。
好みって、難しいなぁ…。
ちなみに私は、断然、ジョーイ・テンペストのような朗々と歌い上げるボーカリストの方が好みなわけですが。

さて、ここでEurope(ヨーロッパ)の概略について簡単に触れておきます。
ヨーロッパは1979年にスウェーデンで結成されました。
1986年にはこの曲『ファイナル・カウントダウン』が大ヒット。
スウェーデン出身ということで、当時は「アバ以来の快挙」と話題になったことも。
ポップでメロディアスなハードロックを奏でることから、あのボン・ジョビが彼らをライバル視していたらしいです。

ところで本日は大晦日。
タイトルからしてこの曲、大晦日ソングとして認定してもいいですよね。




おっと、失礼!





初登場は1987年1月24日の83位。
同年3月28日より2週連続8位を記録しています。



和訳版はこちら。


<<音時さんによる和訳はこちら>>


最近では高校野球の応援歌としても使われているようです。