1969年に発売された通算11枚目のアルバム『アビー・ロード』に収録され、翌年に『カム・トゥギャザー』との両A面としてシングル・カットされた、ジョージ・ハリスンの(ビートルズ時代の)名曲です。
もともとはこの曲、ジョージが『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』のセッション中に書き上げたそうなのですが、レコーディングには間に合わず、結局、知人のジョー・コッカーに提供したのだそうです(シングルとしては未発表)。
その1年後にジョージ自身がレコーディング。
『アビー・ロード』収録曲の中でも、「最高傑作」との呼び声の高い楽曲となったわけです。
この楽曲に関しては、他の3人のメンバーのほか多方面からも高く評価されており、エルトン・ジョンにいたっては「『イエスタデイ』よりも優れている」との賛辞を送っています(Wikipediaより)。
ちなみに、この楽曲にはプロモーション・フィルムも存在しているのですが、当時はバンド活動が休止中。
よってこの映像には、メンバーそれぞれが家族で過ごす様子が中心に撮影されています。
なかでも、ジョンとヨーコのツーショットはこのメロディーに非常にマッチしており、『サムシング』が「ジョンが書いたラブ・ソングじゃないか」と錯覚を起こしそうなほど。
ジョンが「『アビー・ロード』のなかで一番の曲」と称したのも、なんだかわかる気がします。




和訳版はこちら



<<音時さんによる和訳はこちら>>


こちらが、最初にレコーディングされたジョー・コッカーのバージョンです。




ところでこの楽曲、あまりのも好評だったため、様々なアーティストにカバーされ、その数は、あの『イエスタデイ』に次ぐのだとか。
そんなカバー曲の中で、ジョージがもっともお気に入りだったのが、ジェームス・ブラウンのバージョン。
…なのですが、それ、一度聞いただけでは『サムシング』だとわからないような…。




『サムシング』が書かれたとき、ジョージは「レイ・チャールズが歌っているところを想像した」と、自伝の中で語っています。
そしてその数年後、本当に歌ってくれていました。
ジョージはかなり感激したそうです。
当然、サザンの桑田さんは、レイ・チャールズが自身の楽曲を歌ってくれるなんて、想像もしていなかったと思われますが。