当時としては珍しい、黒人女性だけのバンドがこのバンド、クライマックスでした。
1979年、ドラマーのバーナデット・クーパーを中心に、アメリカはロサンゼルスで結成された彼女たち。
当初のメンバは7人だったそうですが、この曲『アイ・ミス・ユー』をリリースしたころには、メンバーは5人になっていました。
ところでこのクライマックス、お世話になっている星船さんによると、とても才能のあるバンドだったらしく、彼女たちは全員、楽器も引けてボーカルもとれて曲も作れるという、まさにスーパー・ウーマンなバンドだったとか。
もうここまでくると、「女イーグルス」と呼びたくもなってきます。
にもかかわらず、彼女たちの爆発的なヒット曲はこれぐらい。
この曲の大ヒット以降、メンバーを変えながら活動を続けていたようですが、90年代半ばに解散してしまいました。
ところで、私がこの曲で特筆したいのは、そのヒット曲としての息の長さ。
この曲、ビルボードの最高順位は5位だったのですが、100位以内に半年以上も居座り続けたため、年間チャートでは、週間チャートの5位を上回る3位を記録しました。
これにはさすがにビックリしました。
日本では、五木ひろしの楽曲がヒットチャートに1年ぐらい居座り続けたため、ベスト5に入らなかったにもかかわらず年間チャートで1位を獲得した、という事例もあります(『ザ・ベストテン』の年間チャートですね)。
こういうのは日本だけかと思っていたら、海外でもあったんですね。
そういえば、のちに紹介することになるであろうワム!の『ケアレス・ウィスパー』も、ビルボードでは3週連続で1位だったにもかかわらず、6週連続1位だったマドンナを抑えて、年間チャートでは1位に輝いています。
これもはやり、クライマックスや五木演歌と同じパターン。
なるほど、言われてみればこの曲も『ケアレス・ウィスパー』も、どこか演歌的な要素が強いような気がします。




初登場は1985年9月14日の86位。
同年12月28日より4週連続5位を記録しています。

※1986年1月4日はビルボードがお休みのためデータはありません


<<4週連続5位を記録した時のヒットチャートはこちら>>
(星船さんのブログより)


<<音時さんによる和訳はこちら>>


当時はテレビの主題歌として、ディオンヌ・アーウィックがカバーしたことも、人気に火が付いたことの要因だったようです。