この曲がCMで流れてきたとき、、これがあの『いとしのエリー』だったと気づくのに、ずいぶん時間がかかったのを覚えています。
それもそのはず、まさかあのレイ・チャールズが日本の歌をカバーしていたなんて夢にも思っていませんでしたから。
これを作った桑田佳祐本人は、「嬉しいを飛び越えていた」とか(桑田佳祐著桑田佳祐『ただの歌詩じゃねえか、こんなもん'84-'90』より)。
そりゃそうなりますよね。
なんてったって、天下のレイ・チャールズですから。
あのジョージ・ハリスンも、自身の作った『サムシング』をレイ・チャールズにカバーされたときは「夢にも思わなかった」ぐらいですから。
ところでこの曲、日本では平成元(1989)年のお酒のCMソングとして起用されたわけですが、なぜレイはこの曲をカバーしたのか?
その経緯に関しては、どうもファンが思っていたのとは違ういきさつがあったようです。
もともとのこの曲、レイ本人が望んでカバーしたわけではなく、CMの企画として日本側が「歌ってほしい」と依頼されてカバーすることとなったそうです。
レイ本人の意向とは別にカバーしたわけですから、桑田さんのファンからしてみれば、ちょっと複雑かもしれません。
とはいっても、日本側はいくつか候補に挙げた曲もあったそうですが、そのなかでレイが一番気に入った楽曲が『いとしのエリー』だということです。
なぜ彼がこの曲をカバーしようと思ったかについては、私自身が思い当たるフシがあるのですが、それはまた後程。
ところで、その桑田佳祐さんについてですが、どうも日本では、「ジブリ作品を見たことがない」という人間と桑田佳祐にネガティブな感情を抱く人間に関しては「非国民」扱いする傾向にあるように思われます。
さながら私などは、そのどちらにも当てはまってしまうので、思いっきり「非国民」かもしれません。
ジブリ作品に関してはたまたまそうなってしまっただけなのですが、桑田佳祐に関しては、ものの見事に好みとは真逆。
そのことが知人らにバレたらどうなることやらと、ビクビクしている次第です。
そんな私だからでしょうか、桑田佳祐が歌う『いとしのエリー』よりもレイ・チャールズが歌う『Ellie My Love』のほうが心にしみてくるわけであります。




もはや伝説となったCMです。




どうやらレイ・チャールズの日本公演の模様のようです。



<<音時さんによる和訳はこちら>>


まさかレイが『いとしのエリー』を選んだのは、桑田さんへの当てつけじゃないでしょうね?!
1975年にリリースされたMarlena Shawの『You Taught Me How To Speak In Love』です。