はっきり言って、この曲を一躍有名にしたのは村上春樹ではないかと思えるほど、彼がこの曲に与えた影響力は大きいものと思われます。
現に私も、この曲のタイトルが『ノルウェーの森』だと知ったのが、村上春樹がきっかけでした。
もちろん、その独特のメロディは村上春樹以前から知っていましたけれど。
あのジョージの独特のシタールによるイントロは、いかにも英国でもアメリカでもない非英語圏といった感じです。
ただし、あのイントロの雰囲気がノルウェーの民族音楽からインスパイアされたのかどうかは不明ではありますが。
ちなみにそのシタールですが、当時、ジョージが購入したばかりだったそうです。
ところで、この曲において、毎回のように物議を醸しだしているのが、そのタイトル。
原題は『Norwegian Wood(ときおり『ノーヴェジアン・ウッド』も邦題使用されます)』ですが、これを直訳すると、「ノルウェーの木」ということになります。
これじゃああまりにもそっけないということで、当時のディレクターだった高嶋弘之氏が『ノルウェーの森』にしたのだといわれています。
ただ近年の研究では、この「Norwegian Wood」とは「ノルウェー産の木材」ではないかとの解釈もなされているのだとか。
さすがに「ノルウェー産の木材」では、歌のタイトルとしてはどうなの、ってところですが。
ところでこの曲、タイトルもそうですが、その歌詞の内容も難解でいろいろと物議を醸しています。
とくに最後の一節は、そのまま読めばかなり衝撃的。
あの描写は何を意味するのか、ファンのあいだでも議論の対象となっているようです。





<<音時さんによる和訳はこちら>>
※この和訳をよんだとき、なぜか『小さな森の大きな家』の最終回を思い出してしまいました。


こちらは映画化された『ノルウェイの森』の予告編です。
ちなみに、村上春樹の小説の方は『ノルウェの森』ではなく『ノルウェの森』。
ただ、私が持っている解説本の1冊には、ビートルズの方にも『ノルウェイの森』と表記されていました。
もしかしたら数年後には、「ノルウェー」か「ノルウェイ」かで物議を醸すかもしれませんね。