こちらは、以前より紹介しているジャッキー・チェン主演の映画ではありませんが、香港のカンフー映画でありながら、日本公開版のみのオリジナル主題歌があるという共通点から、取り上げたいと思います。
『少林寺三十六房』は1978年に香港で制作されましたが、日本公開は昭和58(1983)年。
日本公開の前年には、リー・リン・チェイ(現ジェット・リー)主演の映画『少林寺』が日本で大ブームになりました。
それがきっかけで日本でも、カンフー映画が大ブーム。
それにあやかって、5年遅れで公開されたのがこの映画というわけです。
ちなみに、80年代前半に第一次ジャッキー・チェンブーム(勝手にそう呼んでます)が巻き起こっていますが、こちらも、その『少林寺』によるカンフー映画ブームの恩恵を、彼がモロに受けていた影響かと思われます。
ところでこの映画、ただの便乗映画で終わることなく、その面白さも折り紙付き。
ステージをクリアしていくごとに、主人公がどんどんと強くなっていく様子は、まさにRPGそのもの。
その要素がウケてかどうかは知りませんが、この映画はいまだにファンのあいだで根強い人気を誇っています。
そしてその面白さを引き立てているのが、こちらの日本版の主題歌。
何でも聞いたところによると、監督のラウ・カーリョン氏は、この主題歌をいたく気に入っていたとのこと。
現在は、この監督さんは亡くなられておりますが、生前に許可が下りていれば、こちらの主題歌、香港オリジナル版でも再起用されたのかなとも思ったりです。
歌っているのは山崎アキラさんという人。
現在は引退されて、貸しビル業やボイストレーナーの傍ら、少林寺拳法「東京行人坂道院」の道院長を務められているとか。
なぬ!? 少林寺拳法!
『少林寺三十六房』の主題歌で目覚められてそちらの道に進まれたのか、それとも、もともとそちらの道に進まれていたから『少林寺三十六房』の主題歌を引き受けられたのか、それに関する経緯は定かではありません。





日本公開版と、それがない香港公開版です。
主題歌があるのとないのとでは、どれだけ違うか、比べてみるのも面白いかも。





誰かに似ていると思ったら、ティモンディの高岸宏行だったんですね。