ダイア―・ストレイツは1976年、今時珍しいフィンガー・ピッキング奏法を得意とするギタリスト、マーク・ノップラー(リード・ボーカルも担当)らによって結成された4人組のバンドです。
当時はドラマー以外は音楽で生計を立てることが難しく、それをからかった彼が発した言葉「Dire Straits」が、そのバンド名の由来となりました(Wikipediaより)。
ちなみに「「Dire Straits」とは、「ひどい苦境」とか「非常に困窮した状態」を意味するのだそうです。
プロになっても、彼らはひたすら"我が道を行く"タイプのバンドで、そんな彼らの突如の全米№1ソングがこちら。
その内容はというと、まあ、いかにも彼ららしいと言いますか、当時大流行りしていたMTVを揶揄したもの。
デパートの店内にMTVが流れていたとき、ある店員がそれに出演してるミュージシャンの悪口を言っていたのを聞いたマークが、そこからこの曲の着想を経たとか(『おんがく日めくり|ヤマハ株式会社 - ダイアー・ストレイツの「マネー・フォー・ナッシング」が全米1位に(1985)」2012年6月19日より)。
たしかに、歌詞の内容を見れば、そんな感じがします。

ところでこの曲のPV、アニメーションCGがメインとなっています。
もちろん40年前のCGアニメーションなので、作りとしてはかなりチープなもの。
ただし、当時としてはとても斬新でインパクトも強かったのを覚えています。
そんなPVであるがゆえ、「第3回 MTV ビデオ・ミュージック・アワード(優れたPVを決めるコンテスト)」では、a-haの『テイク・オン・ミー』を押さえての堂々の最優秀賞を受賞。
しかもそのPVの監督はスティーブ・バロン。
そう、『テイク・オン・ミー』と同じ監督さんです。
グランプリに同じ監督さんの作品が2つもノミネートされていたんですね。
のちにMTVが英国を中心にヨーロッパで放映されると、そのときの放映第1号PVがこの曲でした。
まさに、時代を象徴する1曲です。
ちなみに、オリジナルのアメリカ版MTVの第1号PVは、バグルスの『ラジオスターの悲劇』でした。




初登場は1985年7月13日の87位。
同年9月21日より3週連続1位を記録しています。


<<3週連続1位を記録したときのヒットチャートはこちら>>
(星船さんのブログより)


<<音時さんによる和訳はこちら。>>


アルバム・バージョンはこちらです。




1997年のチャリティ・ライブの模様です。
共演はスティング、エリック・クラプトン、フィル・コリンズと、まさに豪華な顔ぶれです。