当ブログにおいて、短期間で同一アーティスト(ジェフ・ベック)を2度取り上げるのは異例のことかもしれません。
だからといって、こんな言い方は失礼かもしれませんが、私がジェフ・ベックに対して、特別な思い入れがある、というわけでもないんです。
本日紹介する楽曲は、彼が1989年10月にリリースしたアルバム『ギター・ショップ(Jeff Beck's Guitar Shop)』の中の1曲、『スタンド・オン・イット』という曲です。
この曲は、アルバム・リリースの翌年には、日本のCMソングにも起用されたため、意外と皆さんの耳に残っているかもしれません。
そしてなにより、この楽曲が収録されているアルバム自体、私が初めて買ったジェフ・ベックのアルバムであり、初めて聞いた本格的なインスト・アルバムでもあったわけです。
それだけに、少々思い入れもあるアルバムだったのですが、どのブログの追悼記事を読んでも、このアルバムの話題に触れられている方はいませんでした。
そのことが妙に癪(?)だったので、この場を借りて取り上げたいと思いました。
ちなみに、このアルバムの前作は、自他ともに認める駄作『フラッシュ』でした。
その4年後にリリースされたこのアルバムは、1990年のグラミー賞ベスト・ロック・インストルメンタル・パフォーマンス賞を受賞。
文字通り、起死回生の1枚だったわけです。
さらにWikipediaによると、同アルバムからは数曲、90年に放映されたNHKのツールド・フランスの総集編に、BGMとして起用されたとのこと。
それだけに、スピーディーなロックナンバーが、目白押しの1枚でした。





この曲が使用された、ホンダ・アコードのCM(1989~90年放映)です。




ちなみに、こちらが上記の2020年版。
やっぱ、流れるBGMに時代を感じるなぁ…。




アルバム『ギター・ショップ』のタイトル・チューンであり、オープニングナンバーです。
ドラムのイントロから入るのは『ワイアード』の流れでしょうか?
とりあえず、完全に「つかみはオッケー」な1曲でした。




さて、本記事を書くにあたって、改めてこのアルバムを聞き直してみたのですが、グラミー賞を取ったアルバムだけあって、聞きごたえは十分。
レゲエやラップ・ミュージックを取り入れたりと、かなり大胆な仕上がりになっています。
それゆえに、「何でこのアルバムの話題を出さないんだ」と思う反面、70年代のジェフ・ベックを主に聞いておられるファンににとっては、斬新すぎて却ってとっつきにくいようにも思えました。