まさに"ミスター・ドラマチック"と呼ばれる、ジム・スタインマンの本領発揮の1曲です。
静かなオープニングで始まり、中間部でグワッっと盛り上がり、最後は再び静かなエンディング。
この曲、私は勝手に「80年代の『ボヘミアン・ラプソディ』」と位置づけております。
そんな彼のドラマチックな手法は、あまりにもしつこいもんだから、「大袈裟だ!」といって毛嫌いする人も少なくないと聞いています。
実際に当ブログでも、前回の『ヒーロー』あたりからウンザリされている方もいらっしゃるかと…。
その一方で、彼のその手法は中毒性があるのも事実で、私などは、その手法にまんまとハマってしまったわけですが。

ところで、この楽曲を歌っているボニー・タイラーですが、彼女は1951年にウェールズで生まれます。
その個性的なハスキーボイスから、「女ロッド・スチュワート」と呼ばれたこともあったとか。
1978年に『It's a Heartache(邦題は『愛は哀しくて)』)』をヒットさせます。
その後は鳴かず飛ばずだったのですが、その5年後のこの曲で、ジム・スタインマンに救われたわけですね。
まさに「ミスター・ドラマチック」。
彼女の5年越しの復活を、見事に演出した1曲といえるでしょう。


相変わらず、フル・バージョンは長いです。


<<音時さんによる和訳はこちら>>


初登場は1983年7月9日の108位。
同年10月1日より4週連続1位を記録しています。
ちなみに、その4週間のうち、10月8日より3週連続2位を記録したのが、前回紹介したエア・サプライの『渚の誓い』(こちらを参照)。
まさに、ジム・スタインマンのワン・ツー・フィニッシュ。
このころの彼の印税って、いくらぐらいだったんだろう?

※12月31日はビルボードがお休みのためデータはありません。


<<4週連続1位を記録したときのヒットチャートはこちら>>
(星船さんのブログより)

こちらが少し短めのPVバージョンですが、PV自体が意味不明で不気味との声も…。




実はこの曲、いろいろな人がカバーしているようです。
一番有名なのは、ニッキー・フレンチがダンス・ミュージックにアレンジしたバージョン。
こちらは、1995年に全米2位を記録しています。




アイルランドの人気ボーカルグループ、ウエストライフもカバーしていたようです。
こちらは、オリジナルに忠実なバージョンです。




人気テレビドラマ『glee』でも、この曲は取り上げられていたようです。




日本でも地上波で放映されていた、グラミー賞授賞式でのライブ映像(1984年)。
これをたまたま一緒に見ていた母が、「向こうの人(外国人)は、カラダ全体で歌わはるなぁ…」って呟いていたのが印象的でした。




『愛のかげり』『ヒーロー』と、立て続けにスタインマンの楽曲を歌った関係だからでしょうか、彼女は以前紹介した『渚の誓い』もカバーしています。
ただし、彼女が歌うと『渚の誓い』ならぬ『渚のかげり』になってしまってますけれど。