日本では『天国への階段』というタイトルで親しまれているこの曲は、ご存じ1971年に発表されたレッド・ツェッペリン(以下ZEP)の名曲中の名曲です。
元々はアルバム『Led Zeppelin IV』に収録されていものですが、実はこのアルバム発売前には、北アイルランドにあるアルスター・ホールというところで、ライブ演奏していたらしいです。
ただし、ロバート・プラント本人によると、観客の反応はいまひとつだったとか(Wikipediaより)。
言われてみればそうかもしれません。
今でこそ、「名曲」として知れ渡っているから「名曲」と認知できますが、なんだかんだ言いながらもこの曲の構成は、同じフレーズを延々と繰り返しながら盛り上がっていく変奏曲です。
いくら後半で盛り上がるとはいえ、同じフレーズを延々と聞かされれば、観客だって「なんじゃこりゃ?」ってなってきますよね。
クラシックの名曲である、ラベルの『ボレロ』もその類。
あれなどは、BGMなどでは一番盛り上がるオイシイ部分だけを使用しているから良い曲に聞こえますが、フルの長さは15分です。
15分も同じフレーズを延々と繰り返されれば、聞く方の体力だって半端ではありません。
だからあの曲は、耳が肥えた人が聞けば名曲になるわけですね。
このZEPの『天国への階段』も『ボレロ』ほどの長さではありませんが、それでも長さは8分間です。
ですので、この名曲の良さをわかってもらえるには、少々時間を要するかも。
ちなみに、この曲の収録アルバムは『Led Zeppelin IV』となっていますが、正式には"無題"なのだそうです。
ファースト・アルバムのタイトルが『Led ZeppelinⅠ』、セカンドが『『Led Zeppelin Ⅱ』、サードが『『Led Zeppelin Ⅲ』となっていますから、おそらくこの4枚目のアルバムも便宜上『Led Zeppelin IV』と呼ばれるようになったのでしょう。
ところで、かの名指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤンは、この名曲『天国への階段』を「アレンジから何まで完璧なる名曲」と絶賛していました。
ちなみに、カラヤンがクラシック音楽以外で称賛した楽曲というのは、この『天国への階段』と『君が代』の2曲だけなのだそうです(我龍覚書「指揮者の帝王カラヤンがクラシック以外で認めた2つの曲」より⇒⇒⇒)。



和訳版はこちら



<<音時さんによる和訳はこちら>>

彼らのライブ・ドキュメンタリー映画『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』からの映像です。
ただ、ロバート・プラントの声は少々傷んでいますが。